商品やサービスを購入する決め手として、代表的なのは価格や品質ですが、提供元のブランドであることも多いんです。なぜなら、提供元が顧客から共感を得ていたり、記憶に強く残っていたりすると、購入の後押しになるからです。
そして、共感や印象付けに大きな役割を果たしているのがロゴマーク。ロゴマークを活用すべきなのは、小売店や飲食店のみならず、税理士も例外ではありません。具体的な理由についてご紹介していきます。
税理士に相談や仕事の依頼をしてくる人は、当然ながら税務に関して困っています。心の中は不安でいっぱいであるとも言えます。困りごとを解決するための相談役として、あるいは依頼先として顧客から信頼をしてもらうには、まずは不安を取り除くことも必要ではないでしょうか?そうでないと顧客は冷静な判断をできませんし、自分のことを正しく見てもらえなくなるかもしれませんので。
例えば、穏やかで暖かみのある色合いや丸みを帯びた柔らかなデザインのロゴマークは顧客の心を落ち着かせ、安心感を与えてくれるかもしれません。
税理士とは難関をくぐり抜けた人だけがなれるものであり、社会における必要性も信用度も高い素晴らしい職業です。その一方で、なじみのない人からは「難しそうで近寄りがたい」「こんなに基本的なことを聞いていいのだろうか」というイメージを持たれる機会も少なくないとも思われます。
税理士としては気軽に相談をしてほしいのに、心理的な障壁が顧客の行動を邪魔しているかもしれません。そんなときは「お固い」イメージとは真逆になるよう、爽やかさが感じられたり、スマートでオシャレなロゴマークで顧客の目を引いてみるのはどうでしょうか。
顧客を獲得するためには自分の得意分野や実績をしっかりと理解してもらうことも重要です。顧客から見ても、より良い対応をしてくれる人を選びたいのは当然のことですからね。では、どうやって自分の強みを顧客にアピールするでしょうか?実はそこでもロゴマークを活用できます。
一口に税理士と言っても、それぞれに「飲食業に関する依頼が多い」とか「建設業については長年培ったノウハウがある」というように違いがあるはずです。それを前提にして、強みのある分野を想起させる要素をロゴマークのデザインに入れ込むのです。
例として挙げた飲食業であれば調理器具や食材を、建設業であれば工具や資材を、さりげなくモチーフに使うことができそうですよね。
どんな業界であれリピーター顧客の存在は非常にありがたいものですが、なかなか簡単に得られるものではないですよね。リピーターになってもらうためには、いかにして顧客の印象に残るかが鍵になってきます。人間は文字だけの場合よりも、画像がある場合のほうが記憶に残りやすいという性質がありますので、ロゴマークを上手く活かせるチャンスです。
ロゴマークに明るい色やモダンなデザインを使って目を引けば、時間が経っても思い出してくれるきっかけになってくれそうです。このメリットについてはさらに昇華したケースを2つ後述します。
「顧客に覚えてもらいやすくなる」というメリットがさらに昇華する場合もあります。ロゴマークを通じて顧客に自分のことを覚えてもらい、さらにはリピーターになってもらえると、「この税理士には別のことも相談してみたいな」というケースにもつながりやすいです。
すなわち、顧客がどの税理士に相談するかに迷う時間を与えず、記憶の中にあるロゴマークをもとに「ここにお願いしよう」という判断を促せるとも言えるわけです。まさにロゴマークが顧客の行動の引き金になっている良い例です。
「顧客に覚えてもらいやすくなる」というメリットがさらに昇華した2つ目のケースです。ブランドロゴを通じてリピーター顧客ができたとしても、仮に自分よりもさらに安い金額で依頼を受ける競合が現れたとしたら、自分から離れて行ってしまうのではないかと心配になるかもしれませんよね。
しかし、「あそこにお願いすれば大丈夫かもしれない」と顧客に思い出してもらえた時点で、単に金額が安いほうに心変わりする可能性を低くすることができているんです。顧客の記憶に残っているというのはそれほどまでに影響力のあることなんです。
顧客への印象付けの機会は少しでも多いほうがいいのだとわかります。
現代においては顧客は必ずしも自分と同じ国籍や文化を持つ人だけとは限らないのが現状です、税理士のビジネスにおいてもそれは例外ではないと思います。文字だけの情報で自分のことを広く知ってもらおうとしても、限界が出てきてしまいます。
誰でも日本語が読めるわけではありませんし、まして漢字は欧米の方々から見ればまさに摩訶不思議な呪文のような文字に見えてしまい、意味を把握することが一層難しくなりそうです。一方、ロゴマークであれば、文字が読めなくても色やデザインで相手の記憶に残りやすいので、言葉の壁を越える役割を果たしてくれます。
私たちが海外旅行した際に、現地の文字が読めなくても「某世界的ハンバーガーショップだ」「某大手コンビニチェーンだ」と一目でわかるのもロゴマークのおかげというわけです。
これまではロゴマークが顧客に対してもたらしてくれるメリットばかりを書いてきましたが、ここではロゴマークを利用する側に生まれるメリットに焦点を当ててみます。ロゴマークがあると大抵の場合は名刺や封筒に印刷されるので、職場のメンバー全員でそれを一緒に使っていくことになりますよね。
このように同じものを共有するという経験は、仲間意識を高めてくれる効果があります。「チームで頑張ろう」「みんなでもっと良くしていこう」というモチベーションの向上にもつながりやすいわけです。そういったポジティブな姿勢が巡り巡って、顧客に対して素晴らしいサービスを提供できるようになったというケースも十分にあり得ることだと思います。
ロゴマークが果たしてくれる役割についてイメージしてもらえたでしょうか。ロゴマークを作るためには、それなりの費用がかかるのは事実ですし、後回しにしたくなる気持ちもわかります。しかし、それは同時に今回ご紹介したメリットを享受できなくなるリスクがあるとも言えそうです。
ロゴマークに投資することで得られるメリットとのバランスを改めて考える機会になれば幸いです。